
今日、アマチュア無線とパーソナル・コンピューターは切っても切れない縁になっていますね。
ログの管理やテルネットクラスターなどいろいろな情報の収集に活用したり、コンテストログ
やCWのキーボード入力、サウンドカードを使ってのRTTYの運用、またマルチウインドウを
使ってのコンテスト参加など、一つのディスプレイにいくつものウインドウを開いている方が
ほとんどだと思います。
かねてから当局が参加をしている「RTTY-CJ」(RTTY・コンテスト・ジャパン)のメンバーの
多くがデュアル・ディスプレイ化をし快適に運用されているのを聞き、当局もシャックの模様
替えと同時にデュアル・ディスプレイ化を実現することにしました。
しかしそこは何にでもノウハウがあるように簡単にはいきません。
幸いにも「RTTY-CJ」のメーリングリストに参加しているため、メンバー各局にいろいろとアド
バイスをいただき、まずは自分の使っているコンピューターの確認(AGPスロットがあるか、
PCIバスの空きはあるかなど)から始めました。
私の使っているコンピューターは、SOTECのPC STATION G387AVというCPU・ペンティアム
3-866MHzを使用しているデスクトップ機です。(OSはWindows ME)
AGPスロットの確認をしたらありました。(まずは第一関門突破です)よかった!
アドバイス
AGPスロットは必須です。

次に無線機からデーターを取り出したり送ったりするのに、新たにCOMポートの増設をする
ことにしました。
私の使っているパーソナル・コンピューター(以下PC)には、PCIバスが3つありますがすべて
ふさがっています。
TVチューナーボード、LANボード、PCMCI+IEEE1394ボードがささっていますが、RTTYのコン
テストの時はTVが見られませんので(LINE OUTが重複するため)TVチューナーボードをは
ずすことにしました。(RTTYコンテスト時はTVが必須です...hi)
パーツ集め
デュアル・ディスプレイ化&COMポート増設のためにはパーツ調達をしなければなりません。
今回はなるべくコストをかけず(どれも新品は高い)中古品でかまわないのでオークションを
利用し少しずつ揃えていくこととしました。
必要なパーツは、15インチディスプレイ、デュアル・ディスプレイ表示可能なグラフィック・
カード、増設用COMボードです。
アドバイス
まずデュアル・ディスプレイ表示可能なグラフィック・カードの選択ですが、カード゙からのディス
プレイ接続コネクターにいくつか種類があることがわかりました。
何でも繋ぐことができるわけではないんですね。みなさんもご注意を!
接続コネクターで一番ポピュラーなのがD-SUB ミニ15ピン VGAコネクターで他には
SONY製品多くみられるDVIコネクターがありますが、このDVIコネクターにも3種類ある
そうです。

最初に目をつけたグラフィック・カードがD-SUB ミニ15ピンとDVIのコネクターの組み合わせ
でしたので、2台目のディスプレイの選択肢が狭まると思い悩んでいると、7L4IOU 出島氏
から「MATROXのG400というグラフィック・カードは両方ともD-SUB ミニ15ピン接続」との
情報をいただきMATROX MILLENNIUM G400 DUAL HEADにすることにしました。
(ドライバーと対応OSはこちら)
ところがこのグラフィック・カードはオークションに多数出品されていますがとても人気があり、
なかなか落札できません。
いろいろと出品されているものを調べていくうちに同じG400でも32Mタイプと16Mタイプがあり、
さらに最上級の位置づけの”MAX”はディスプレイ出力が両方とも32Mということがわかり
ました。(ただのG400の32Mは32Mと16Mの出力)
アマチュア無線に使うのであればそこまでの能力は必要ないということでしたが、どうせ買う
ならということでMATROX MILLENNIUM G400 MAX DUAL HEAD 一本に絞り落札しま
した。

次に15インチディスプレイですが、Yahooオークションにはどれに絞っていいかわからない
ほど多数出品されており、これもあれこれ悩んでいたところ「e-yama」の15NE2-WCが、
たて・よこの寸法が小さく、コネクター形状もD-SUB ミニ15ピン接続であり、スピーカー
内蔵、背面にVESA規格準拠のネジ受けがありましたので根性で落札しました。
なぜ背面のディスプレイ・アーム固定用のネジ受けが必要かと申しますと、↓
当初ラックの棚に2台目のディスプレイを乗せようと考え、足を入れた全高の低いディスプ
レイを探していたのですが、これも「RTTY-CJ」のMLからヒントを受け、ディスプレイの背面
のディスプレイ・アーム固定用のネジを利用し、棚板にアングルを渡し直付けにすることを
思いつきました。
そうすれば棚板の幅を気にせずスペースを有効に使えることになります。
アドバイス
VESA規格準拠のディスプレイ・アーム取り付けネジ受けが、無い物がありますので
ご注意を。
スピーカー内蔵にすることにより外付けスピーカーの置き場所がいらなくなります。
ディスプレーはTFTで明るい物で、1024X768ドットの表示が出来、欲を言えば二つ
並べた時に左右同じ高さになる様に調節が出来るとFBかと思います。

増設COMボードは、無線機のコントロールやローテーターなどをコンピューターとのデータ
のやりとりに使うために購入しました。
最近のPCはどちらかというとCOMポートを減らしUSBやIEEE1394などの転送速度の速い
接続端子を増やす傾向にあります。
私のPCもCOMポートは一つしかなくすでにRTTYの運用のために接続しているため、COM
ポートの増設を余儀なくされました。
そこでこれもRTTY-CJのMLから情報を得、SYBA社製の高速シリアル通信ボード「SD-
PCI-9835-2S」というボードをオークションで落札しました。
私の場合はPCIスロットの空きの関係もあり2ポートの増設にしましたが、PCIスロットの余裕
のある方はボード1枚で4,6ポートが増設できるボードもあります。

さて、パーツがそろったところですぐにも模様替えとデュアル・ディスプレイ化に着手したい
のですが、どう見ても一日ですんなり終わりそうもありませんでしたので、5月のゴールデン
・ウイークの連休中の2日間に実行することにしました。(デュアル・ディスプレイ化を志した
のは2月下旬でしたので2ヶ月かかりました)
初日はPCのデータのバックアップから始まり、次に各種ボードの取り外し、取り付けながら
PCの掃除。
今度は無線機類を棚から下ろしながら掃除。
うちには猫がいるのでホコリと抜け毛がいっぱいでした。
そこまでは何の問題はなかったのですが、無線機類の移動の時にはずした同軸がどれが
どれだかわからなくなったり、中継している同軸が短く届かなくなったりで場所を上下左右と
移動しては考え、しょうがなく延長ケーブルを作ったりで案の定一日終わってしまいました。
アドバイス
同軸ケーブル、電源コード、アース線等外すときは付せんなど付けておくと接続する
ときに迷わずできます。

何とか無線機類の位置も決まり今回のメインの2台目のディスプレイの設置です。
これは当初から予定していたとおり棚に直付けをしました。
自動車のパーツ売り場で売っている自在アングルを2本購入し2つの棚板に固定をして、
ディスプレイの背面にあるVESA規格準拠の4つの3mmのネジ受けを利用し自在アング
ルに固定しました。
設置を終えて
デュアル・ディスプレイは想像以上に便利です。
まだコンテストに本格的に参加し使用していませんが、日常のDX-ClusterやLogger32,
E-Mail等の情報が2倍の領域に表示されるのですからとても便利です。
各種コンテストの情報をマルチに表示できるのですから、使いやすくなるのは考えただけでも
ワクワクします。
みなさんもアマチュア無線だけではなくPCゲーム、画像の処理などとても便利になること請け
合いですので、ぜひデュアル・ディスプレイ化に挑戦してください。

余談ですがなるべくコストをかけずにデュアル・ディスプレイ化を計画しましたが、COMボード
を含め費用は約23Kでした。